おすすめweb小説紹介サイトラノプロ『堕落しきった青春被害 者にラブコメ応援ボラ ンティアなんて必要ない。――小説家になろう』
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《作品タイトル》
堕落しきった青春被害者にラブコメ応援ボランティアなんて必要ない。
《作品情報》
作者“柳原紀伊”
・あらすじ
電波ゆんゆん金髪ロリ。
誇り高き冷血ぼっち。
こじらせ厨二病美少女。
パーフェクト優等生。
そんなメンツで送る黒咲高等学校生徒会にある日、”人のラブコメを応援する『ラブコメ応援ボランティア』が黙示された”。
「キミは『ラブコメ応援ボランティア』のボランティア対象に選ばれた、なのです。キミのラブコメを、全力で応援させてもらうのでよろしくーっ! なのです──」
独断と偏見でボランティア対象に選別されたのは、残念系ラブコメアニメの主人公的立ち位置である能美鮮花(のうみあざか)。生徒会メンバーの力を借りながら、ヒロインである雪姫螺夢(ゆきひめらむ)との、すれ違い系純愛に終止符を打ち始めるが……?
ジャンル 現実世界〔恋愛〕
キーワード
ガールズラブ 年の差 悲恋 悪役令嬢 スクールラブ 日常 青春 ラブコメ ハーレム 群像劇 現代 学園 男主人公 ギャグ シリアス |
掲載日
2018年 03月15日 00時03分
《第一話特別掲載》 本日、柳原紀伊さんの心優しい気づかいにより、第一話を掲載 させていただくことになりました(o^―^o)ニコ
以下、第一話特別掲載
【主な人物紹介】
[生徒会長]胡桃咲好乃香。電波むんむん高校二年生。
[副生徒会長]橘亮。パーフェクト優等生な高校二年生。
[会計]愛乃愛無。厨二病の高校一年生。
[書記]冷宮菜花。冷血ぼっちの高校二年生。
[ボランティア対象]能美鮮花。堕落ぼっちした高校二年生。本作の主人公。
[攻略対象]雪姫螺夢。人懐っこい性格の高校二年生。
[ボランティア対象]八橋煜。自称YouTuberの高校二年生。
[攻略対象]瑞山紀子。天真爛漫な性格の高校二年生。彼氏持ち。
[攻略対象]結崎翔。学内イケメンアイドルの高校三年生。
[ラノベ作家]冷宮月子。普段着裸パーカーの中学三年生。引きこもり。
一月初旬。三年の生徒会役員が引退し、選挙によって選ばれた会長、副会長とともに、生徒会は二年と一年で構成された。
そして、時は流れて、二月初旬の事──
【毎日がつまらなくて仕方がありません。ここの生徒会は、三次元を二次元に改変できると聞いています。お願い出来ますでしょうか?】
一枚しか集まらなかった『みんなのお願いアンケート』の用紙を片手に、生徒会室の黒板に書かれている、そんな【本日の議題】をコンコンと手の甲で叩く、苦笑いの生徒会長。やはり見ている分には、一美少女として成立していると思う。
つぶらな碧色の瞳に、少し癖のある金髪ショートカット。胸もかなり大きい。そして何より特徴的なのは、高校二年生とは思えないほど、ロリ顔で身長がチビなこと。
……誤解の無いように言っておくと、バカにはしてませんからね。いやホントに。確かにボクと彼女の身長を比べると、ベルリンの壁くらい差が付くんだけど──
って、前言撤回。改めて考えてみるとバカにしてますねボク。バカにバカを重ねたバカ中のバカ。そんな究極のバカを彼女に与えているボクはなんてゴミなのだろうか。
「うあぁぁぁぁー! なにこの惨めな幻想はなのですぅ!」
そんな生徒会長──胡桃咲好乃香が、随分前に職員室から強奪してきたらしい黒の回転椅子に腰をかけ、叫びながら苦悶していた。
「会長、大丈夫か? 上条◯麻さんでも呼んで来る?」
「うぅ……。誰それ……なのです……」
あ、しまったなぁ。アニメ知識が人並みよりもちょっと上くらいの会長に、『その幻想をぶち壊す』は分からなかったか。
ならばここはどうツッコめばいいのだろう。「会長、毎度毎度のことなんだけど、語尾の『なのです』がほんの少し耳に触るから、ちょっとは自重して?」的な? おいおい、愚痴混ざってんぞ、それ。
であれば、「……え、待って。黒板前から電波発言が聞こえてくるんだけど、誰──ってあれ、会長? ごめん、小さすぎて見えてなかっ──」
……すみませんでした会長。やりすぎた。言い過ぎた。声に出さなくてよかった。
てか、会長が「誰それ」と発言している時点で、もうツッコミは──
「珍百景」
くらいしかない、か。
……ん? 冷静に考えて「誰それ珍百景」ってなに? 「誰それ? 珍百景くん?」的な感じになっちゃったんですけど。ナニコレな、ナニコレ。
「で、どうすんの会長、それ。ナニ◯レ珍百景にでも応募すんの?」
胡桃咲が前髪を右手でいじりながら鼻で笑う。
「可哀想じゃない? それは。なのです。この人だって、本気でそう思って、この用紙に書いてるんだから。なのです」
「……いや、イタズラだろ」
「え? どーして? なのです」
「いや……そうじゃない? ……え、うそ、ボクが間違ってんの? これ」
あるいは世界が間違ってんの?
「あー……、何言ってるのか分からなくなってきたぁ……。とりあえず、人のお願いをバカにしちゃダメでしょ! なのですぅ!」
そう叫びながら胡桃咲は勢い余って立ち上がり、ボクに向けて、人差し指をビシッと突き立てた。
いやいやいや、こいつの頭どうなってんの? ボクそんな意味不明な事言ったか? 言ってねぇよな。言葉だけでなく脳内まで電波ゆんゆん飛び交ってんの……?
そんなこんなでわたわたしているここ、黒咲高等学校生徒会は、『みんなのお願いアンケート』という、生徒のお願いを聞くための、アンケートを受け付けている。そして、そのアンケートに書かれたお願いには、何かしらの対処をしなければならない。
しかしこのお願い、全くもって対処のしようが無い。名前記入欄空白のため誰が書いたのかが分からない上に、アンバランスな丸文字が、女子なのか男子なのかをはっきりと断定させてくれない。これでは要望者に、「すみません、無理です」と伝えることすら不可能である。
いや……、てかこれ、絶対イタズラだから伝えた方がバカみたいになっちゃうよな。でも伝えねぇと。電波ゆんゆん胡桃咲さんがですですうるさくなりそうだしな。あいつ、このお願いが本気だと勘違いしてるし。……てか、ですですって何回死んでんだよボクら……。……でもまぁ、百パーセントイタズラって決まったわけでもないから、ボクもそこまで確信に近づけるようなことは言えないか。
ボクは落ち込む胡桃咲を見つめながら、生徒会室の真ん中に、綺麗に寄せて配置されている、複数の教室用机の椅子に座り、肘をつく。そして、とりあえずどうすればいいのかを、ボクなりに考え込んでみた。
その一。
異世界からの転生魔法、または転移魔法を待て。もしくは、神様の手違いで死ね。
……ヤバ。ボクの頭も、割と電波ゆんゆんしてきたかも。圧倒的侵食率。恐るべし電波会長。
そして、その二を考え込む刹那の事──
「──ごめんなさい。それ、私が今日の朝に書いたやつだったわ」
斜め前に座る書記──冷宮菜花のそんな言葉によって、ボクの思考が直ちに中断された。
「……なんで? なのです」
「だってそのアンケート、ここ一週間、何一つお願いが書かれなかったじゃありませんか」
「……優しさのつもりなんだったら、ネタバレをしない事だな」
成績毎学期オールパーフェクト。定期テストの順位は毎回一位。そんなとんでもない真面目ちゃんも、「毎日がつまらない」的な感情に浸るらしい。意外。同類。てか、あれ? こんな事思うってもしかしてボクら、どこぞの団長さんだったりしてる? そろそろSOS団でも作っちゃう?
とかなんとか心中でツッコミを入れている刹那、向かい側に座る、会計係りの後輩──愛乃愛無が、突如として立ち上がった。口元が僅かに歪んでいる。何をしでかすのやらと身構えていたその瞬間、愛乃は大きく笑い、こう叫んだ。
「世の中はつまらなくなどない。貴様がつまらなくなったのだっ!」
……不覚にも、そのパロネタに笑いそうになった自分の頬を抓る。ここが碧◯学園生徒会ではなく、黒咲高等学校生徒会である証拠を鮮明に思い返すと、立ち上がり、敬語を使わない愛乃を然りに行く。
「おい、冷宮は先輩だからな。てか、パロるならセリフのまんまパロれよ」
「生徒会シリーズは原作派であるぞ!」
「分かったから謝っとけ」
「すみません……」と、謝罪の言葉を口にしながら冷宮に向けてお辞儀する愛乃。それを見るや否や、ボクの隣席でラノベを読んでいた副生徒会長──橘亮が、話を戻すように口火を切った。
「で、なんで菜花はそう思ったんだ?」
それに対して冷宮は、語るように、長々と喋り始めた。
体育のペア組みで自分だけが余る悲しみ。
休み時間の孤独感。
マエへデテハッピョウ。などなど……。
「二人一組みの時、『一人になっちゃいましたー』って先生に言いに行ったら、『じゃあ、三人でもいいグループ。こいつを入れてやってくれないか?』とか言われるの、超キツい。自分が決めたペア組みのルールだろ。捻じ曲げんなよ。変えんなよ」
「休み時間。普通十分も必要無いわよね。しかも毎時間。そんな事をしているのだから、卒業後、社会人になってから『仕事キツーい』とか、ほざく輩が現れるのよ……」
「それな。ホントそれな」
分かる、超分かるとボクは、首を何度も上下に動かす。……いや、最後の言い方。これだと冷宮は、社会人になってから愚痴なんて吐かない。という意味になっているので、そこは賛同しかねるのだが。
てーか冷宮さん、ぼっち特有の悩みについて、あなた三十個くらい語りましたけども、割とあなたにも電波入ってるかもですねこれ。電波ビンビン? ヤバいなにその下ネ単語。いや下ネ単語ってなんだよ。
しかしまぁなんにせよ、ボクの場合、そのような悩みの大半は、もう過去のものとなっている。
それは、自分自身で解決したという事もあるのだが……、ここの活動内容の一環である、人のラブコメを応援するボランティア、名付けて『ラブコメ応援ボランティア』のボランティア対象に、ボクを選んでくれたおかげでもある。些か役に立った物事が少なすぎていたのだが……、ボクは見事、あの人とハッピーエンド&堕落ぼっち卒業式まで持って行くことに成功していた。
いや、前言撤回しよう。改めて思い返してみるとラブコメ応援ボランティア、本当に役に立った物事が少なすぎている。邪魔された事の方が多かった気がしなくもない。いや多かったわ。それも圧倒的に。
まぁ、だからやはりボクには、ラブコメ応援ボランティアなんて、いらなかったのだ。そして、これからも──。
「あ〜あ、私も早く能美くんになりた〜い」
え、なにそのネタ。それどこの妖怪人間?
「……みたいに、な。もしくは、能美くんを人間に変えろ」
両腕を頭の後ろに組み、妬むような目でボクを睨む冷宮。そんな態度に目線のやり場を奪われたボクは、助けを求めるようにして、胡桃咲を目視したのだが──
「え? つまりどういうこと? なのです?」
……胡桃咲に助けを求めたボクがバカだった。いやそれよりもなんで「なのです」まで疑問形になってんの? お前の小煩い電波語尾はそれで合ってますよ?
つーか、橘を見れば良かった。胡桃咲の短所は、空気が読めないところだからな。……いや、空気を読まないところだな。人前でなのですなのです言いやがって。せめて前の文に続けて付けろよその電波語尾……。
可愛いけどな、そんな電波ちゃんと会話するこっちの身にもなってみろって話で。
「つまり……、このお願いは、同類であった貴様……能美鮮花にしか、対処不可能、という事だな」
凍てついていた場の空気を、愛乃のそんな理論が溶かしていく。しかし、そんな事をいきなり頼まれても……と、あたふたしているボクに向けて愛乃は──
「何をやっておる。早く『私がモテないのはどう◯えてもお前らが悪い!』の主人公のような日々を語るがよい」
「おい、それ中学前半の話な! 高校では『やはり俺の青春ラブ◯メは間違っている。』の主人公寄りなの!」
とかなんとか、なんで知ってんのか知らんがそんな感じに罵倒されて──。
「誰も貴様の高校時代を語れとは言っておらぬぞ」
「……なに? その言い回し。勝手にボクを卒業させんでくれる? てか、まあ……中学時代の方が共感は与えれるだろうけど、それ対処にならねぇから。ぼっちから脱却した、ボクの青春を語った方が、希望を与えて対処になる」
こいつも割と電波入ってんなぁ。前までは厨二病って事で片を付けてたけど。いや厨二病の時点でもう電波か。電波るんるん? らんらんるー? いや待て殺してどうすんだよ殺して……。
心中にてドナルド・マ◯ドナルドを思い浮かべていると、愛乃は額に手を当て、思い出すように、半笑いで口を開いた。
「あぁ、あれか。貴様のリアルラブコメ展開か」
「……かもな」
相槌を打つと、冷宮からクスっという笑い声が漏れる。そしてそんな冷宮が、思い出を振り返るようにして、慈悲の言葉に入り混じった被虐発言をぶちまけた。
「──悲しかったわね。人生の貴重な約一年間を、自らぼっちの道へ堕落して過ごした、だなんて。けれど、あなたが最後に救われて、本当に良かったわ。脳味噌くん?」
「誰だよ脳味噌くん……。能美な、能美。後ろに『噌』を付け足すな」
否定に近いツッコミを入れ、冷宮に向けて、呆れ顔でため息を吐いてやる。
そして、意思を固めると立ち上がり、皆に一人ずつ目を向け──こう宣言した。
「んじゃまぁ語ってやるよ。ボクの痛々しい青春の日々を──」
「雪姫螺夢との、ラブコメを──」
話は遡ること、およそ一月下旬まで────
《感想》
とあるアニメキャラを真似してみたり、コミュ障を演じてみたりなんてことは思春期真っ盛りの人にはよくあることです!!(多分)
この小説のとある登場人物はまさにそういった時期を終えかけている人、という感じになります。少し話はそれますが、とあるアニメキャラを真似したりなんかしているとだんだんと自分の中でもどれが本心なのかわからなくなってしまうんですよね。知らないうちに催眠術にかかっているのでしょうか……。 いや、まぁ、管理者の青春時代がばれそうな話しは置いておいて(笑)
この作品は思春期の男の子の感情をうまく表しているような気がしました。もしかすると作者の実体験が含まれているのかな? なんて思うくらいです。管理者が一番感動したのは第一話以降に現れる登場人物能美くんの作文です。この作文を読むと――初恋をもう一度した気分になります。なんというか、甘酸っぱいです。
ちょっと新しい青春ラブコメを読みたい方にもおすすめなので、どうぞご一読ください。
堕落しきった青春被害者にラブコメ応援ボランティアなんて必要ない。
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