おすすめweb小説紹介サイトラノプロ『桜降る季節まで。――小説家になろう』

《作品タイトル》

桜降る季節まで。

《作品情報》

作者“らんシェ

作者のマイページ

作者のツイッター

 

 

あらすじ

 

「さらは元気ですので」
「そんな顔して言われてもな」
月に一度やってくる女の子の日には本当に困らされています。
でも、一つだけ良かったことは、弘美さんに出会えたことです。

らんシェ発案の、編み物が好きで勉強に必死な女の子小野宮桜来(おのみやさら)。
坂津眞矢子さん発案の可愛い物が好きな剣道少女、紫咲弘美(しざきひろみ)ちゃん。
真面目な2人の百合物語。

同一世界観企画、「星花女子プロジェクト」第3弾参加作品です。

 

ジャンル

現実世界〔恋愛〕

キーワード

R15 ガールズラブ  スクールラブ 恋愛 百合 百合増えろ下さい 星花女子プロジェクト

掲載日  

2017年 08月31日 22時54分

 

《第一話特別掲載》

「うぅ……」

「小野宮さん、大丈夫ですか?」

 またノートを借りるために立ち上がろうとして失敗すると、彼女の方から来てくれました。

「平気です。あの、御津さん。いつも申し訳ないんだけど、理科のノート、貸してくれる?」

 つい昨日も古文のノートを借りたばかりだけど、昨日は早退してしまった。今度は化学を借りなくちゃ。

「もちろんです。でもその前に、保健室に行ってください」

「さらは元気です」

「そんな青白い顔して言われても説得力ないですよ? あの、肩、貸しますから」

 そんな、迷惑をかけるわけには……

「小野宮さんっ!?」

 ☆ ☆ ☆

「ん……」

 あれ、寝てた? ああ、またやっちゃいましたか。もう授業始まってる時間。もどらないと。

「こら、なにしてるの? まだ寝てなさい」

 先生。さらの、あんまり見たくない顔です。決して嫌いなどというわけではなく。保健室が、嫌いなのです。

「でも授業……うっぷ」

 きもちわるい……お腹も痛くなってきた。

「うぅ……」

「何か飲む?」

 ベッドに腰掛けて来たのはやっぱり先生でした。授業中ですからね。

 首を横に振るので精一杯。水を飲む余裕もない。呼吸が浅くなっていく。

「薬、持ってきましょうか。少し楽になるわよ」

 これにも首を横に振る。だって、薬飲むの苦手なの。

「ふっ、ふぅ……ゔぅ……」

 先生が宥めるように、腰のあたりをさすってくれる。苦しいことには変わらないけど、少しだけ和らぐのを感じる。

「小野宮さん、いつも頑張ってるって、御津さんが言ってたわよ。私は教室でのあなたをを知らないけれど。ここが嫌いで、勉強のことを考えて教室に戻りたがってるのも知ってる。誰も小野宮さんがサボってるなんて思ったりしないわよ。まあ何が言いたいかっていうと、今は寝てなさい」

 とても寝れるような状況じゃないはずだけど、先生の手が思った以上に心地よかったらしく、さほど時間が経たないうちにまた眠ってしまった。

 ☆ ☆ ☆

「……?」

 寝てたんだっけ……。あれ、誰かに手を握られているようで?

「起きたか?」

「……これは?」

 知らない人がさらの手を握ってます。ポニーテールのキリッとしたカッコいいお姉さん。ジャージを身に付けていて、部活生だということはすぐに分かりました。

「君が握ってきたんだ。寝言でお姉さん? の名前を呼んでて。随分苦しそうだったし、ホームシックにでもなってたのかと。離すのも気が引けて、起きるのを待っていた」

 先生、は、いないみたい。

「ごめんなさい。あの、部活、なんですよね。さら、もう大丈夫ですので」

 教室に荷物を取りにいかないと。ああもう。結局一コマも受けてないじゃないですか。帰ってごはんを食べたら、勉強しなくちゃ。結局、御津さんにノートを借り損ねちゃった。

 やらなきゃいけないことはまだたくさんあります。時間は限られているんだし、早く取り組まないと。

 勢いよく立ち上がったものの、すぐに足がふらつきまた床にしゃがみ込んでしまう。

「待て。すぐに帰る準備するから、待ってろ」

「いえ、あの、心配してもらわなくても」

「そんな格好で言われてもな。わたくしは、病人を1人で帰すようなことしない。寮生か?」

 そういいながらお姉さんは、さらをお姫様抱っこして、またベッドに寝かせてくれました。

「桜花寮生です。でもあの、部活……」

 この人も用があって来たはずだし、部活生なら邪魔するようなことできません。

「寮生ならなおのこと。実家住みなら保護者に連絡ってのもありだがな。この寒い中、寮まで帰るのは酷だろう。わたくしがおぶってやる」

 そんな。寮までは、元気な時なら大したことはないとはいえ、そこそこの距離がある。さら、重いのに。それに、

「荷物が……」

「うん? ああ、昼食を持ってきてたか?」

「ああいえ、あの。食堂でとってますので。でも、鞄に勉強道具が」

「なに。1日くらい勉強しなかったとて、そう遅れはとらんだろう。そうか、それならこのまま帰っても問題ないな。じゃあ着替えてくる。すぐに戻る」

 さらが拒否する前に、お姉さんは保健室を出ていってしまう。なんてことでしょう。こうなっては一人で帰るわけにも行きません。大人しく待っていることにしましょう。寮にも勉強道具は全くないわけではありませんから。

 さっきみたいな酷い腹痛や頭痛はもうなくなっています。お姉さんを待っているこの時間も、何かしていないと落ち着かない……それくらい、さらには時間が惜しいのです。

 今度はゆっくりと立ち上がります。先生の机の上には、毛糸玉が1つとかぎ針のセットが。流石先生です。さらは保健室の常連なので、時間つぶしの為に最低限のセットを置かせてもらっています。先生は呆れることなく、むしろ無理に教室に戻られるよりいいと言ってくれました。再びベッドに戻り大人しく編み物を始めます。この時期ですし、マフラーでも縫ってお姉さんを待っていましょう。

《感想》

百合小説。それは可愛い女の子同士の可愛い会話が見放題の天国……なんてクソ説明は置いておきまして(笑) この作品は主人公のキャラがしっかりと固まっていて、読んでいるうちにイメージもしっかりと固まっていきます。

管理人は――というか人間って頑張っている人は応援したくなってしまうと思うんですよ。この作品の主人公小野宮さんはとても頑張り屋で架空のキャラだというのに日常生活の中でなぜか頭に浮かんでくる。ちょっと大げさですが、あぁ、あいつは今大丈夫かなー的な心境になっていきます。

癒しを求めている方々におすすめの小説です(^▽^)/

 

管理者のツイッター
バミトントン 管理者のツイキャス
バミトントン ツイキャスでは時に小説関係のお話を。時にくだらない羽目外しな企画を行っていきます。

プッシュ通知を

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です