『桜の木に寄り添う――小説家になろう』おすすめweb小説紹介サイトラノプロ
《作品タイトル》
桜の木に寄り添う
《作品情報》
作者“月乃結海”
あらすじ
桜の木に託された想い。事故により車いす生活になってしまったヒロイン。それでも前向きに生きていく。
友情。恋愛。人と人との繋がり。それぞれが生きていく上で抱えている色々なもの。大人になり幼馴染のあの男の子と突然の再会。あなたには逢いたい人はいますか?甘くてちょっぴりせつない青春ストーリー。
ジャンル
現実世界〔恋愛〕
キーワード
日常 青春 私小説 ラブコメ 甘い 女主人公 現代 恋愛 ほのぼの 癒し ドラマ 桜 せつない メゾン文庫大賞
掲載日
2018年 02月20日 20時54分
《第一話特別掲載》
私の名前は、橋本なつみ。
私の家の隣には、大きな、大きな桜の木がある。
あの桜の木は、ずーっと私の成長していく姿を見守ってくれていることだろう。
私が子供の頃、ある男の子と出会った。
名前は……。
今、あの子は何してるかな。
突然、いなくなってしまった、あの男の子。
目もぱっちりしていて、背も高かった。
でもいなくなってしまった。
窓から見える桜の木は少しだけ小さく見える。
もう一度だけ逢えるといいな。
もう一度だけ逢えたなら。
……キキーーー!!
ドン!
「は!またあの夢 」
すごい汗だ。
「なつみー!朝ごはんだよー!」
「はーい。よいしょ 」
カタカタカタカタ……
私は、2年前事故にあってしまった。
幸い、命は助かった。
それからは、私は……トラウマを背負ってしまった。
青信号で渡っていたのに、トラックがまっすぐ突っ込んできたのだ。
それから車いすになってしまった。
悲しさや悔しさは、沢山ある。
でも事故のせいにして、生きているのも辛くてたまらない。
助かった命を、大切に生きて行こう。
「なつみ、顔色悪いよ。大丈夫?またあの夢を。」
「平気。心配しないで……今日のフレンチトースト上手くできたね!」
バタバタ。
お母さんは、いつも忙しそう。
幼い頃からずっとそうだった。
沢山の会話をした記憶があんまりない。
友達が家族でいつも出かけていた、遊園地。
数える程度は、行ったかなぁ。
でも私は、我慢なんかしてないよ。
わかっているから。
幼い頃から、ずっと。
「でしょ?お母さん、今日仕事で遅くなるから。冷蔵庫に入ってるハンバーグ、チンして食べてね 」
「はーい。いってらっしゃい 」
カタカタカタカタ……。
はぁ……。
……私は部屋に戻り、窓の外を見ていた。
もうすぐ春になる。
桜が咲くそんな季節に……。
《感想》
この小説は現実世界で展開される恋愛ものであることには間違いないのですが、少女漫画のようにキラキラした恋愛ではなく非常に心温まる恋愛ストーリーになっております。
ここ最近管理人は少し疲れ気味だったのですが、この小説を読んでなぜか元気が出ました(笑)
もう一度頑張ろう! と思えるようになれたのです。
一つ一つの文章が心を包み込んでくるかのようでした。小説を読んでいてこのような気持ちになったのは初めてです。