『ポアロの栞(しるべ)』おすすめweb小説紹介サイトラノプロ

《作品タイトル》

ポアロの栞(しるべ)

《作品情報》

作者“チャロぼう”

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あらすじ

三年前、悪魔にすべてを奪われ自分のすべてを懸けて復讐を誓い、二年前、銃弾で蜂の巣にされてその命を落としかけ、拾い上げられ、今こうして生きている――。
三年前に心を、二年前に身体を傷つけられた、灰色がかった銀髪を持つ少女、エルキュール≠ポアロの愛と復讐の物語が静かにその幕を開ける。

少女は三年前の復讐を果たすことができるのか。
少女は二年前の大恩を返すことができるのか。
そして何よりも、復讐に燃えた心で少女は何を掴み取るのか。

「……エルキュール≠ポアロ」
「俺は正規傭兵、ヘイスティン――って、そこで耳塞ぐんじゃねぇぇえええ!」

とある街で、名前も知らない(知ろうとしない)傭兵を雇ったその瞬間から、少女のきりのなかった復讐の物語は少しずつ『終わり』へと向かい始める――。

ジャンル

ハイファンタジー〔ファンタジー〕

キーワード

R15 残酷な描写あり  オリジナル戦記 銀髪美少女 バトル シリアス ほのぼの 悪魔 魔法・魔術 家族愛 愛と復讐 旅 王国

掲載日  

2017年 08月14日 12時47分

 

《第一話話特別掲載》

――深夜。

 ゆさゆさ、と身体を小さい二つの何かに揺すられて、少女は目を覚ました。

「……んぅ。……何さ……?」

「ねぇちゃん……腹減った」

 寝ぼけ眼を擦る少女のその先には小さな弟の姿があった。『二つの何か』の正体は、この小さな弟の手だったのだ。きゅるりと鳴るお腹を押さえながら、弟は少女の顔をじっと見つめてくる。

 ――あぁ、もう。しょうがないなぁ。

 少女は自分の長い銀髪の端を指で弄ぶと、むくり、とベッドから起き上がる。

「わかったよ。なにかとってくるから、少しだけ待ってて」

「うん!」

 にぱっ! と顔を綻ばせる弟の髪を一頻り撫でくりまわし、部屋から出る。ギシッギシッと軋んだ音を立てる床の音。

「――すみません。貴女にはいつもいつもご迷惑を」

「いいっていいって、気にしないでよ院長先生おじーちゃん。わたしがやらないと、この子たち飢えちゃうんだよ? だったら、わたしにできることをしなくちゃ」

 にっ、と歯を見せて笑う少女。

 ここは、親のない子供の集まる孤児院だ。しかし貧乏だ。とてつもなく貧乏だ。そしてここの年長者は、今年十二になったばかりのこの少女だ。

「危なくなったら、すぐに戻ってくるんですよ」

「はいはい。……じゃあ、まぁ、すぐに帰ってくるからね。――行ってきます」

 少女は孤児院の家族に向かって手を振る。

 不安と申し訳なさが顔いっぱいに表れている院長先生と。

 期待と空腹が顔いっぱいに現れている可愛い弟たち妹たちの。

 いってらっしゃい、の声が少女の背中を押す。少女は、にっともう一度笑って、風のように軽やかに走り出した。

 少女は、孤児院の子供たちのために、ちょくちょく街に降りては盗みを働いている。なぜなら、それこそ少女の特技だったからだ。少女には、盗みの才能があった。

 昔、まだこの孤児院も景気が良かった頃、あちこちで盗みを働くこの少女はまさに問題児そのものだった。よく院長先生には尻をぶたれたものだ。しかし今この不景気の中では、少女の才能こそがこの孤児院を支えていた。院長先生も渋々ながら黙認してくれている。その自分の才能を、特技を活かすことこそ、この孤児院に出来る最大の恩返しなのだ、と少女は自負していた。

 それから少しばかり時間が過ぎて……。

 少女は袋いっぱいの小麦を片手に、孤児院への帰り道を駆け抜ける。白い息のかたまりが、幾つも口から吐き出される。

 ――帰ったら、パンでも焼こうかな。

 そんなことを考える少女の足取りは軽い。

 今日はパン屋さんに忍び込んだ。店の裏側の窓が締め忘れられていた。きっと明日、あそこのおじさんは厨房に入り、小麦が袋だけになっていることに気づくだろう。そして、きっと怒り出す。またあのガキやりやがったな、と。しかし訴えたりはしないでくれるはずだ。なぜならば、あの小麦はおじさんが少女に盗んでいってもらうためにわざと置いておいたものだからだ。きっと窓の鍵が開いていたのも、おじさんの仕業だろう――少女は知っている。

 ――まぁ、音もなく忍び込み、おじさんやおばさんを起こすことなく小麦をまんまと盗んでやったのは、間違いなくわたしの才能だと思うけれど。

 何を隠そう。あのおじさんは少女の暮らす孤児院の出身なのだ。だからこそ何かしらの恩返しがしたいに違いない。

 まったく、だったら直接持ってきてくれたっていいじゃないか。……そう思わなくもないが、あそこの奥さんは街一番のケチで有名なのだ。まぁ仕方あるまい。ケチなおばさんが、こんなボロ孤児院に小麦を、だなんて許してくれるはずがない。

 もし万一にもおじさんがそんなこと言ったら最後、パンをつくるあの……えぇと、なんて言ったかな、めん棒? でボコボコのタコ殴りにされてしまう。

 ――おじさん、ご愁傷様です。

 想像の中でとはいえ、頭に幾つものたんこぶをこしらえて息絶えているおじさんの冥福をお祈りする。

 そんなこんなしているうちに、孤児院が近づいてくる。

 ――さぁ、この丘さえ越えれば孤児院だ。わたしの家だ。わたしの帰る場所だ。

 少女は膝に力を込め、ぐっ、と加速して一気に丘を越える。

 丘のてっぺんに立ち、我が家を見下ろす。

 そこには――。

「どう、して……?」

 轟々と燃え盛る、少女の家があった。

《感想》

この小説の感想を素直に言わせていただきますと、もう少し作品構成を工夫してほしかったです(;’∀’)

文章能力も素晴らしく高いうえ、作品に登場するキャラクターは一人一人に細かな設定が付けられておりなかなか面白い作品になっているのですが、作品構成が世界観をわかりにくくしています(‘◇’)ゞ

作品構成を除けば本当に作りこまれている作品でした(^▽^)/

キャラクター設定が非常に凝っているため言うまでもなくヒロインはかわいいです。

主人公とヒロインの絡みが管理人的には好きですね(o^―^o)ニコ

面白い小説ですので是非ご一読お願いしますm(__)m

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