『スピルトミルク――独自サイト』おすすめweb小説紹介サイトラノプロ
《作品タイトル》
スピルトミルク※独自サイトです。
《作品情報》
作者“真下 たき”
あらすじ
東京へ上京してちょうど1年が経った日の夜、仕事を終えた若久拓哉はいつものように最終電車で自宅からの最寄り駅を降りる。疲労でぼんやりとしながら近くの神社にふと立ち寄ると、突然不思議な光に包まれて……。「そうだ、俺にはこの数年間ずっと後悔していることがあるんだ。もしも……、もしも、もう一度あのころに戻れたら」
彼は自分の後悔と向き合い、それを乗り越えることができるのか?
ジャンル
キーワード
高校、恋愛、友情、タイムスリップ、後悔
《第一話特別掲載》
※この物語では2つの視点が入れ替わりながらストーリーが進んでいきます。
どちらの視点で書かれているのかは、各ストーリーの冒頭にある日付の横の丸印でご確認ください。
午前0時32分、俺を乗せた電車が自宅の最寄り駅に到着する。仕事から帰るのは、たいていこの最終電車だが、仕事が終わらずにタクシーや始発電車で帰ることも少なくない。
30分ほど前に3月31日が過ぎたから、これでようやく今月が終わったことになる。毎日記入する超過勤務表によると、今月の残業時間は合計153時間だった。これで3か月連続で150時間を越えてしまった……。
昨年の4月、地元の大学を卒業して、東京に上京。今の職に就いた。
あれからもう1年が経つが、今までに何度「やってしまった……」とこの仕事を選んだことを嘆いたかわからない。
少し前までは、事前の業界研究を怠った自分自身を罵ることもできたが、最近はその気力すら起こらなくなってしまった。
電車を降り、改札を出て、近くのエスカレーターを上る。残念ながらこのエスカレーターは地上へ続く道の途中で切れてしまっているため、残りの半分ほどは階段で上らなければならない。
しかも、寝不足と過労でボロボロの体にトドメを刺すかのように、この道には常に地上から強風が吹き付けてくる。恐らくその構造上、風が通りやすくなっているのだろう。
疲労感と哀愁が漂う周りの通勤者と同じように、背中を丸めて強風に耐えながら、駆け足で階段を処理する。
それにしても、もう春だというのに風が冷たい。
やっとの思いで階段を上り切ると、出てすぐの道を左へ曲がる。家に帰るのであればここを右に曲がるべきなのだが、今日は帰る前に寄りたい場所があったのだ。
道を進み、最初の信号を右へ、次の信号を今度は左へ曲がると、住宅の並ぶやや広い道路に出る。
この時間だとどの家も電気はついていない。加えて、この道には街灯がないため、夜の闇がそのまま降り注いでいる。今年で24になる俺にとっても、夜のこの道はひどく不気味で怖いもののはずなのだが、体中を駆け巡る眠気と疲労のおかげで恐怖心には鈍感になっていた。
ここをさらに100メートルほど進むとある神社が見えてくる。
《感想》
普段はライトノベルばかり紹介している管理人ですが、今回は少し違います。
この小説はラノベでいうところのメディアワークス。普通に見るなら一般文芸のような小説です(#^.^#)
独自サイトで作品投稿を行っているだけありまして、純粋に面白い小説でした(^▽^)/
会話に方言が混ざっているため、慣れていない人にとっては少し読みにくいかもですが、それだからと言って読むのを読めてしまうのは少しもったいない気がします。
とても読みやすい文章で書かれていますし序盤切りは基本的にありえなそうですね(笑)