『バランスブレイカー、回収します!』web小説紹介

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《作品タイトル》

バランスブレイカー、回収します!

《作品情報》

作者“偽田中一郎”

 

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あらすじ

管理者曰く、世界は危ういバランスの元に成り立っている。
そのバランスを崩しているのがバランスブレイカーと呼ばれる凶悪なアイテム達。
異世界転生した40手前のおっさんが、お約束のチート能力を武器にしてアイテム回収に奮闘します。

立ちはだかるは、いきなりの牢獄。
主人公はここから脱出できるのか!?

身近な事件から世界の命運を分ける危険な案件まで、バランスブレイカーが絡んでいる。
有能なうさ耳の受付嬢、即デレるツンデレ戦士を仲間に、冒険の旅に出かけよう!

シリアス半分、ラブコメ展開もあり。
評価やコメントなどはお気軽に!
※毎日21時頃に更新中!

カクヨムにも同時投稿しています。

ジャンル

ハイファンタジー〔ファンタジー〕

キーワード

R15 残酷な描写あり 異世界転生  異能力バトル 冒険 ラブコメ 男主人公 チート 超能力 おっさん ケモ耳 うさ耳 主人公成長もの OVL大賞5 処女作

掲載日  

2018年 08月31日 21時05分

《第一話特別掲載》  

 気がついたら、白い部屋にいた。

 まるで取調室のような狭い空間の中に机が一つ、椅子が二つあった。

 椅子に座っているのは20代に見える女性、それもとんでもなく美しい女性だ。

 神々しいオーラを放つその女性は背中に羽が生えていた。

 落ち着け。

 これは夢か現実かで言えば夢の類だ。

 今日、帰りがけにすれ違った女性に綺麗な人が多かったからだろうか。

 だから、こんな欲求不満みたいな夢を見るんだ。

 限りなく現実に近い、現実のような感覚を持った夢だ。

「夢ではありませんよ」

 どこまでも優しい声色で女はそう言った。

「私は管理者です。といってもあなたの世界のではありません。新しく出来た世界の管理者をやっています」

 俺の戸惑いを置き去りにして、女は話を続ける。

「こんにちは」

 挨拶は基本だ。

 俺はコミュニケーションをとろうとする。

「はい、こんにちは、コタローさん」

 にっこりと笑う。

 その笑顔の美しさに、俺は大体がどうでも良いような気持ちになってきた。

 ところで、なんでこの女は俺の名前を知っているんだろう?

 夢でも良いし、現実だったら余計に良いことじゃないか。

 こんないい女と狭い部屋で二人きり、しかもとびきり優しげな顔で微笑んでくれる。

 こんな贅沢はない。

「私、困っているんです」

 笑顔を保ったまま話を続ける。

 本当に困っているのだろうか。

「せっかく新しい世界を作ったのに、どうもバランスが悪いようでして、ちょっと先行きが不安なのです。だめならだめで早めに見切りをつけてしまいたいのですけど、そのために協力してもらえませんか? 負荷テストをしてみたいんです」

「い、意味がよく分からないです」

 何を言っているかよく分からないので、素直に答える。

 新しい世界?

 いったい何のことだろう?

「そうですね。分かりやすく言うとですね、私は今小説を書いています」

 手元に真っ白な本が置かれる。

 どこから出した?

 まるで手品のようだった。

「頑張って色んな設定を盛り込んだんですけど、お話の収拾がつかなくなっちゃったんです」

 本をパラパラとめくりながらそう言う。

 本には見たこともない文字で書かれたページがぎっしり詰まっていた。

「どうも強いアイテムを作り過ぎちゃったみたいなんですよね。そのせいでお話がまとまらなくなってしまったのです」

 女は困ったような顔を浮かべて、俺の目を見る。

「だから、本当にお話がまとまるかどうか、コタローさんに読んでもらいたいんです」

「本を読むぐらいなら、はい。本を読むの好きですし」

「本当ですか! せっかく新しい世界に行ってもらうんだもの。そういうのが好きっていう人で良かった!」

 とびきりの笑顔で、その笑顔が俺の心をドキドキさせる。

 なんて魅力的な女なんだろう。

「コタローさん、もしもですよ、もう死んでしまっているとしたらどうします?」

「えっ!?」

 急に何を言い出すんだろう。

「未練とかありますか?」

「そ、そりゃあ」

 なんだろう?

 未練、色々と……あったような。

 でも、いきなり言われるとすぐには思いつかない。

「あっ、一つ思いつきました」

「なんでしょう」

 好奇心に満ち溢れた表情で女は尋ねる。

「俺、今までずっと人の顔色とか伺ってばかりで、自分らしく生きてなかったていうか……。自分の意思で道を切り開きたい。冒険がしてみたいです」

 俺は誰にも言ったことのない本音を言う。

 出来るなら、自由に生きてみたかった。

 人生が楽しいって心から思えるような、そんな冒険をしてみたかったんだ。

「冒険! 良いですね! コタローさんには、出来る限り暴れてもらいたいと思っています」

 暴れる?

 根っからの小市民の俺だ。

 暴れることなんか出来そうにない。

「冒険に出かけるコタローさんにはプレゼントを差し上げたいと思います!」

 プレゼントなんて小学生の頃のお誕生日会でしかもらったことない。

「健康って大事ですものね。エリクサーをあげます」

「エリクサーって一番強力な回復薬の?」

「そう、それ! それを100個、プレゼントします!」

 女は自分の事のように嬉しそうに微笑む。

「他にも、鑑定でしょ、アイテムボックスでしょ、そういうお約束なものは当然付けるとして……。コタローさんの希望も聞いておかなくちゃ! 何か欲しい能力ありませんか?」

 欲しい能力?

「も、貰えるんなら、す、凄い能力が欲しいです」

 俺は馬鹿みたいな返答をする。

「どんなイメージしているのか、見せてもらって良いですか?」

 女は急に顔を近づけてくる。

 俺のおでこに手で触れる。

 まるで子供の熱を測ってくれているみたいだ。

 それだけで、凄くドキドキする。

「良いですね! 分かりました。テレポートとかサイコキネシスとかそういう超能力が欲しいんですね!」

「は、はい。そうです。そういうのです」

「そうだ。最初にこれから行く世界のイメージを伝えておけば良かったですね」

 またしても女は顔を近づけてくる。

 今度はおでことおでこをくっつけてきた。

 まるでこれからキスするような距離感。

 初めて女をこんな間近で見た。

 その時、大量のイメージが頭の中に直接流れ込んできた。

 剣と魔法のファンタジーの世界だ。

 その現実感に俺は圧倒される。

「これで、新しい世界の基本的な知識をお伝えすることができました。出来れば、この世界を十分に楽しんで下さいね。それが管理者である私の偽らざる願いです」

 女はそう言って、俺の手を握ってくる。

 柔らかくて、愛おしい。

 握り返すこともできず、されるがままになっている。

「あっ、そうそう。バランスブレイカーの中でも、とびきりお気に入りの武器を差し上げるのを忘れていました。この武器が貴方を守ってくれますように!」

 女は両手を胸の前で組み、祈りを捧げるような格好をした。

「それと、最後にお願いがあるのです」

 美人からのお願い。

 聞くのにやぶさかではない。

「私が作ったバランスを崩しちゃってるアイテム、回収して欲しいんです。何を回収すればよいかは、メールしますね」

 女がそう言うと、俺が返答する間もなく、周囲が光り輝いていく。

「では、新しい世界へどうぞ。ステータスを確認してみて下さいね」

 俺の意識はぐにゃりと歪む。

 まるで長い夢から覚めるようなそんな感触。

 女の声は遠くなっていった。

《感想》

確かラノプロ初の異世界ループ小説ですよね。

作品のテンポは相当速いです。

それが原因なのでしょうが、物語の重要局面であろうシリアスシーンでもなかなか作品にのめりこむことができませんでした。個人的にはもう少し一つ一つのシーンに力を入れてほしい漢字です。人によって意見はそれぞれだと思いますが、せっかくの一人称視点小説なのですから、そこをうまく利用して心理描写を増やしてみるとよいのではないでしょうか。

ただキャラクターの個性が非常に立っていますし、意外とオリジナリティが高かったりするので良作ではあると思います!

序盤を読んでいたころは間違いなく異世界テンプレ系小説だと決めつけていたのですが、ループ設定をうまいこと利用してオリジナリティを生み出すことができていますね。

テンポが速すぎるというのもよい意味で言えば読みやすくなっているということでもありますし、異世界ループ小説が好きだ!

という方は是非一度目を通してみてください。

序盤は作品の説明的部分がほとんどを占めていますので、読み始めてみるという方は3章のあたりまでは最低でも読み進めてほしいです。

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