『白い箱の中で』ラノプロ

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《作品タイトル》

白い箱の中で

《作品情報》

作者“児島 武”

 

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あらすじ

2013年の6月から8月にかけて精神科病院の閉鎖病棟に入院した。
個人的な経験としてこれを文芸風に改めたが、もとは身辺雑記として、その様子を記録したものである。
閉鎖病棟内部の建築の特徴、その特殊性、空間編成が患者に与える心理的状況がまず描かれる。
たまたま悪質な医師にあたってしまったため、入院経験の中には医療行為としては不適切なことも多く含まれている。その様子を描写した。
そもそも治療のために入院しているので、私の主治医だった男の行為もまた奇妙に思われるだろう。
様々な患者たちがいたが、2か月半ほどの入院生活を、ずっと閉鎖空間で共にするので、人間観察記録としても読むに堪えうるものを目指した。
精神科病棟なので精神病人が多いのだが、意外なほど彼らは生々しく人間らしい。私が入院した病棟区画が「退院を目指して地域での自立を目指すための予備段階の病人」を収容していた、つまり、精神疾患としては軽症の患者のみを見ていることにも注意を促したい。

さらに注意を促したいのは、筆者自身うつ病を罹患していたために、記憶が完全ではないということである。
うつ病になると記憶が薄れる。また、医師が故意に与えてくる断薬症状にもずいぶん苦しめられた。
健康な精神状態で書かれた記録ではないということである。
したがって純然たるノンフィクションなどではなく、生活記としての文芸としてお楽しみいただければ幸いである。

初の投稿になるので、「小説家になろう」のシステム的な仕組みなどにいまだ暗く、戸惑っている。
また、Wordですべて書いたものの、ほかの投稿者のかたの小説を読んでみると、皆、頻繁に改行・一行空けを入れているのにも驚いている。
本作は、そのような作品に比して、字を詰める形式で書かれているのでご注意いただきたい。

上述の通り初の投稿なので、簡単に自己紹介させていただきます。
1976年埼玉県生まれ、埼玉県立川越高等学校を卒業後京都大学文学部に入学、2006年同大学より博士学位(文学:第370号)を授与されました。病気のため離職していましたが、文筆を仕事にできたらと考えております。発達障害者(アスペルガー障害)、二次障害としてうつ病に頻繁に罹患するので精神障害者(3級)

ジャンル

ヒューマンドラマ〔文芸〕

キーワード

私小説 シリアス 男主人公 現代 病院 精神科 発達障害 精神障害 医療

掲載日  

2018年 10月17日 07時25分

《第一話特別掲載》  

 医者は饒舌だが患者は寡黙である。

患者の語りは医者のそれよりはるかに少ない。

それゆえ、患者としての精神科病棟での経験を語ることは意義があると思う。

もっとも、時間の経過や病状の悪化により入院中の記憶には限界がある。

それをご諒解の上、お読みいただければ幸いである。

 2013年の6月頃、私は埼玉県内中央部にある、とある精神科病院に入院していた。

この経験は興味深かったし、私の科学・医療観にも多大な影響をあたえているから、短文にしてまとめるつもりであった。

だが、いろいろ書いているうちに予想外の長文となった。

異様な出来事は記憶に残りやすい。

とはいえ、これを書き始めたのは、2017年の初夏のことであり、そこには当然記憶バイアスがかかっている。

また、病人として入院としている以上、症状が苦しい時には記憶は薄れる。

私はうつ病ということで入院したのだが、それ以上に苦しかったのは、医師が意図的に与えてくる断薬症状(投薬を急激にやめたり変えたりするときに起こる不快感などの症状)であった。

断薬症状の時には、苦しさ故に記憶が薄れる。

だから、これは正確な記録というわけではない。

かといって、まったくのフィクションでもない。

確かに私は、2013年の6月から8月にかけて埼玉県中央部のとある精神科病院の1Aと呼ばれる区画に入院していた。

 初めに言いたいことは、閉鎖病棟内で最も奇妙な嗜虐趣味を示したのは私の主治医であり、最も大きな他者を思いやる心、ホスピタリティを示したのは私の周りの患者・障害者だったことである。

もちろん、病院には多くの医療従事者・患者がいるので一概には言えない。

個人の経験を直ちに一般化することは厳に慎まねばならない。

だが、少なくとも、この病院では医療従事者が親切で、患者が人間らしく治療を受けていたという単純な関係がなかったのは確かである。

 一例をあげると、世間では眠剤や精神安定薬、抗不安薬の投与を避けることをおおむね良しとし、これらが投与されないことを称揚する風があるが、院内で、50代男性アルコール依存患者と以下のような会話をした。

 「おじさん、ここけっこうひでえ時はひでえよな」

 「ああ、ひでえ医者もいるよ。

医者にもいろいろだけどな。

オレなんかよう、何度も入院してるだろ、一番わりい時に、眠剤も精神安定剤も、抗不安薬も抜かれてよう、それが4か月も続いてよう、ありゃあしんどかったよ」

 「おいおい、それじゃあ、つらくてつらくて居らんねえじゃん。

どういう治療だよ、それ」

 「あ、だから治療じゃねえんだよ。

オレの入院態度がわりいからってよう、医者がくれねえんだよ。

寝れねえし、苦しいだろ」

 「なんだ、制裁か」

 「そう、4か月」

 そういったわけで、投薬の在り方ひとつとってもまことに興味深い。

私は完全閉鎖病棟に2か月半入院したが、すべての行為が監視され(自室にも監視カメラがついている)、処置にはすべて保険点数がつき、管理された。

私たちは口々にこうした完全に管理された空間に居ることについてこう言っていた。

「いやだねえ、早く出たいねえ」「地獄だよねー」。

そして、自分たちのことをこう形容していた。

「まな板の上のコイだ」。

この病院は2002年以降3件の暴行が報告され、1件が県の調査で確認されている。

後になって医師が院内での死亡事故を24時間以内に警察に届けず、書類送検されている。

そういうことを知っていて私がこの病院に通院していたのは、この地域の基幹病院だからである。

現在は別の医院に通院している。

《感想》

この小説はジャンルとしては一応ヒューマンドラマということになっているものの、限りなくエッセイに近い作品です。

少なくとも普段からラノベばかり読んでいる管理人の腐った目からは

「エッセイっぽいなー」

的な考察しか導き出すことができませんでした。

このような文学的にレベルの高そうな作品を評価するためには、管理人のスキルをさらに向上させる必要がありそうです。

 

まぁ取りあえず作者さんには通常の小説を書いてみてほしいっす!

とても細かく色々な部分を表現しているのに、くどい文章にもならずむしろ読みやすい文章に仕上がっているところが不思議で仕方がありません。

一見すれば難しそうな言葉が多用されていて読みにくく感じるのですが、じっくりと目を通しているうちにすらすら読めるようになっていくんですよね。物語の中に引きづりこまれるこの感覚は、面白い小説を読んでいるときの特徴と言えるのではないでしょうか。

いやー一度でいいからこの作者さんの書くラノベを読んでみたいですね(笑)

少しライトノベルに関する知識とノウハウを持てば、最高にとがった一冊を生み出せるような気がします。

人間関係という部分にスポットを当てることが得意そうですし、人間関係を主題にしたサイエンスファンタジーのラノベ作品なんか得意かもしれませんね。 個人的には少しとがったラブコメが好きなのでぜひ書いていただきたいのですがw(勝手なことを勝手に綴ラ背ていただきました。お見苦しいところをお見せして失礼しました)

 

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『白い箱の中で』ラノプロ” に対して1件のコメントがあります。

  1. 児島 武 より:

    ご感想ありがとうございます。
    「エッセイ」。そうですね。管理人様に置かれましては、「娯楽性が無いんじゃない?読んで楽しくないよ」と言った感じではないでしょうか?
    論文や学術書は書いたことがありますが、小説は書いたことが無く、本作も人物観察や空間描写にほぼすべての力点が置かれておりますので、「入院生活ってこういうものだよ」という「説明」にはなっていても、「それ、小説じゃないし」とおっしゃられるのは当然のことと思います。
    「娯楽性を出す」が今の私の課題の一つでして、出来たら挑戦してみたいと思います。
    ただ、決してラノベは侮れないジャンルだと思っていまして「難しい」という印象を持っています。
    十分研究させていただきまして、健康状態がよくなりましたら始めさせていただこうと思います。
    読んでいただけてうれしいです。ありがとうございました。

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