重厚な世界観 『姫百合の騎士と聖なる魔女 ~魔女狩りを生き延びた最弱魔女が、最強の聖女と出会い世界に反逆を!~』

web小説紹介

《作品タイトル》

姫百合の騎士と聖なる魔女 ~魔女狩りを生き延びた最弱魔女が、最強の聖女と出会い世界に反逆を!~

《作品情報》

作者“吉宮 文”

 

作者のマイページ
作者のTwitterhttps://twitter.com/_yoshimiya_

 

あらすじ

最弱魔女と最強聖女による、くちづけから始まる復讐劇――。
突如、世界に現れた異能の力を持つ若き魔女<マレフィカ>達。
差別、迫害、殺戮。そんな魔女狩りの果て、復讐者となったマレフィカの少女ロザリーは、世界に対し反逆を起こす。
最初のターゲット、それは最も魔女から遠い存在、正教の聖女であった。
二人が出会う時、それぞれの運命が今、花開く。
――魔女と呼ばれる少女達が世界を変える、純愛ファンタジー。

※初投稿作品となります。百合ものです。R-15、残酷描写、性的表現あり。

最初は少しシリアスですが、次第に話は明るくなっていきます。異能力(チート要素)も同様、少しずつ花開きます。読み応えのあるファンタジーをお求めの方に、特におすすめです。
現在100話ほどのストックがあり、多くの魔女が登場予定となっています。

各章に表紙イラストを描いています。しばらくは毎日投稿の予定です。
感想等、お気軽にいただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。

ジャンル

ハイファンタジー〔ファンタジー〕

キーワード

R15 ガールズラブ 残酷な描写あり  オリジナル戦記 異能力バトル 冒険 ラブコメ 女主人公 百合 恋愛 異世界 ライトノベル 復讐 やがて主人公最強 チート ハーレム おっさん多め 転移者

掲載日  

2018年 10月25日 16時51分

《第一話特別掲載》  

『姫百合の騎士と聖なる魔女』 第1部 叛逆の魔女と聖なる魔女

プロローグ

  ――これは、誰にも語られる事は無かった物語。

 しかし、なぜか、どこか懐かしい記憶と共に、ある感情は呼び起こされる。

 生まれながら、人は孤独である。

 だが、心はそうであろうか。真に孤独を望む者はいないはずだ。

 ひとたび、ぬくもりを知れば、それを見て見ぬふりは出来ない。

 そう、誰かが、手をさしのべてくれる。

 そして、あなたも。

 これは、人と人を繋ぐ、絆の物語――。

第1章 叛逆の魔女 1.決意

 迷いのない心で、私はその作戦に志願した。

「――聖女の暗殺、私にやらせて」

 この瞬間、私の長い戦いが始まる。

 私の名はロザリー=エル=フリードリッヒ。魔女マレフィカだ。

 マレフィカとはこの世界において最も禍々まがまがしいとされる存在。かの魔物と同等……いや、それ以上にみ嫌われている。

 なぜマレフィカが呪いの象徴となっているのか。それは私達がかつて人類と戦い、恐れ、憎悪した“悪魔”と同じ力を持って生まれた存在だから。

 よって人々は私達を悪魔の使いとの意味を込め、“魔女”と呼ぶ。

 二十年ほど前、私が生まれる三年ほど前になるが、神の加護を受けた救世主により一つの戦いが終わった。

 それはのちに“救世メシア戦争”と呼ばれる、悪魔と人間との永遠に続くとも思われた戦いで、早い話この地を賭けた生存権を勝ち得る為の戦いと聞いている。

 マレフィカは、そんな悪魔の存在と引き替えにこの世に現れたという。

 二十年という年月は、凄惨せいさんな戦いを風化させるには短すぎた。第二の“救世戦争”の予感に、人々はマレフィカの粛清しゅくせいを望んだ。

 現に各地では目を覆いたくなるようなマレフィカに対する差別、弾圧、そして虐殺があった。私達は力を持っているとはいえ、中身はごく普通の少女なのだ。

 抵抗できるわけもない……はずであった。

 時に七年前、我々が魔女となる決定的な事件が起きる。

 ある一人のマレフィカによる、始まりの魔女事件。詳しくは知らないが、公には恐ろしい魔女により大国、フェルミニア王都の一部が灰と消えた、とある。

 この出来事は人々の団結を生んだ。そして病める人々の心の隙間に“ガーディアナ教”が入り込む。

 正義は人類にある。その言葉を信条に勢力を拡大した、長い歴史を持つ人類愛の教えである。

 想いの力というのは凄まじく、異端いたんは排除せよとの思想統一を為し得た“神聖ガーディアナ教国”は、大陸エルガイアの過半数をほぼ手中にした。

 それからというもの、マレフィカである私達に心休まる日は訪れなかった……。

 ここはローランド王国、私の祖国だ。だが今はもう無い。多くの孤児となったマレフィカを受け入れた事により、悪魔に荷担したという理由でガーディアナ教国に侵略された。

 かつてまつりごとのローランドと呼ばれた平和な国は、怯えきった目をした人々の住む荒廃した土地に姿を変えた。

 その誰からも忘れられた国の片隅で、私達は聖教徒の喉笛を掻き斬るための刃を研ぎ澄ませていた――。

************

 時は新暦020年。ローランド戦役から五年が過ぎた。だが、未だあの日の事は鮮明に甦る。

 レジスタンス組織、“逆十字ぎゃくじゅうじ”。ローランド戦役の生き残りによって結成された、反ガーディアナを掲げる戦闘組織である。ロザリーは、末端の兵を束ねる部隊長として憎しみをかてに生き延びていた。

 今にでも反撃に出たい所だが、単独行動は許されなかった。一人の独断が組織全体の存続を左右する。内に眠るくすぶりは、ロザリーを強くした。

「これくらいにしておきませんか? もうずっとこの調子ですよ」

「まだまだぁ!」

 長くあでやかな黒髪を振り乱し、何度も剣を交える。しかし、ただの一度もロザリーは有利を取れずにいた。最早、相手をする男も呆れ顔だ。

「そこっ!」

 男はロザリーの剣を根本から弾き、勢いよく剣は宙を舞った。

「ずいぶんと腕を上げたようですが、なにぶん……」

 間が生まれた。そこから先をためらうように言い淀んだのだ。

「言いたい事は分かる。非力なんでしょう。女だから」

「それも一つあります。ですが、あなたの剣は殺意が感じられない」

 その言葉の意味が良く分からない。ガーディアナへの憎しみなら誰にも負けないはずなのに、殺意が無いという。

 相手をしているのは逆十字副団長、キリーク=シュバイツァーという男。愛称はキル。汗一つかいていないセミロングの金髪が風になびく。優男やさおとこ風貌ふうぼうながら、剣の腕はロザリーを遙かに上回る。

 少なからずロザリーは好感を抱いている相手でもあった。殺意を向ける対象ではない。それでもその言葉に侮辱を感じたロザリーは、切れ長の目でにらみ返す。

「私は、組み手をしているのだけど?」

「違うんですよ。それが土壇場どたんばのあなたの力量です」

 ずっと飲み込めずにいた。本気を出して何かあったらどうするのだ。いや、私の本気など相手にもならないというのか。

 不満を洗い流すように、チロチロと流れる冷水を頭に浴びる。井戸も涸れ、いよいよ水も出なくなったのか勢いが止まった。ロザリーは裸のまま、近くの水場へと出向いた。

「ついてない……」

 ここにいるのはすでに家族同然の兵数人と副団長キル、そして団長のギュスターくらいのものである。女は自分一人だが、そんな目で見る者はいない。ロザリーは最低限、肌を手で隠しながら水浴びをした。

 ここ数年で、ロザリーの体付きは完全に女性的なものへと変わってしまった。特に面倒なのがメンスである。筋肉の発達した男達を見るに付け、ロザリーはいつもうらやましく思ってしまう。大きな胸も尻も、張って動きを妨げる。大きなため息と共に、潔癖症のロザリーは念入りに体を洗った。

 物陰から誰かがその様子を見つめている。

「はあ、はあっ……」

 それは、ロザリーの部下である一般兵であった。いつも気さくに接してくれる隊長ロザリーは憧れの存在である。彼は、ロザリーの為に戦っていると言っても過言ではなかった。

 ロザリーは一人の時、いつもの勇ましい姿から想像もできないほど女性的なしぐさを見せる。ただ、一点、太腿についた大きな傷跡が痛々しく映えるが、それも彼女の、戦いに生きる女性という高潔さを強調している。

 男は興奮した様子で、その美しさに見とれていた。

 パキッ――

 身を乗り出した拍子に乾いた枝を踏み、物音が立ってしまう。

 男は絶望した。ロザリーは無自覚に男を誘惑するが、そういった卑俗ひぞくを許容するような女性ではない。動けずに身をすくませていると、誰かがそこに現れた。

「誰!?」

「おっとっと、ロザリーか。いやー、偶然偶然」

 白髪を後ろに結わえ、髭をたくわえた老齢の大男が現れる。団長のギュスター=レイクレフォンである。

 男はギュスターの後ろに回した手が、早く去れと言っているのを見つける。命拾いしたと、男は物音を立てずにその場から離れる事ができた。

「まさか……覗いていたの?」

「まさかまさか、水が出なくなって汲みに来ただけだよ」

 その手には水桶があった。すっかり安心したロザリーは、秘部を隠しながら水浴びを続けた。

「しかし、もう少し離れた場所でやった方がいいぞ。皆、女日照ひでりで目の毒だからな」

「え、ええ……ごめんなさい。気をつけるわ」

「そんな、はち切れんばかりの身体を見せつけながら無自覚に振る舞うのは男にとってどういう事か、分からんような年でもなかろう」

 ギュスターは、手を丸め股間にそれを当てるジェスチャーをした。具体的な指摘に、ロザリーの顔が真っ赤になる。

「いいからもう行って! あなたが一番危険だわ!」

「ほほ、ワシはもう枯れておるよ」

 女だから、何だというのだ。女であるが魔女である。魔女など、男からも畏怖いふされ恋愛の対象にもならない。どんなに美人だろうと体が豊満であろうと、何の役にも立たないのだ。

「会議を行う。後で司令室に来るように」

 口ひげを触りながらそう言い残し、ギュスターは去っていった。

 何か新しい作戦でもあるのだろうか。今までの場当たり的な水際みずぎわ作戦では、結局雑兵の数を減らすだけに留まった。

 皆、マレフィカである自分に期待しているのであろうが、ロザリーは魔女の様に特異な力など持ち合わせてはいない。ただ父に習った剣技のみで泥臭く戦ってきただけだ。

 最近の組織の活動も、時間稼ぎに終始している。そろそろ、何かを示さなければ……。

「何であろうと、やってみせる……この私が……」

 

《感想》

非常に読み応えのある文章でした。

なろうの感想欄にも記入されていましたが、まさに気品のある文章といった感じですね。

読みごたえがあって、じっくり読めばとても読みやすい文章なのはいいんですが、理解力の乏しい管理人にはよく理解できない点が(本当に)少しだけあったりしました。

特に第一章の3話中盤は、雰囲気のためではあるのでしょうが、一気に話が流れすぎていてわかりずらい場面が多かったです。

細かなことを言ってしまうとネタバレになってしまうんでけどねw

それでもここまでがちがちなファンタジーを久々に読むことができて、非常にうれしく思いました。

重厚な雰囲気がたまらなくカッコいいです!

女性が主人公であるところも、三人称視点で書かれているところも作品の世界観を表現することにうまく役立てられていて、非常に考えられた作品だと感じました。

管理者のツイッター
バミトントン 

プッシュ通知を

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です