圧倒的なVR小説『ロード・オブ・デバッガー』

おすすめweb小説紹介

《作品タイトル》

ロード・オブ・デバッガー

《作品情報》

作者“田中ダンジョン

 

作者のマイページ
作者のTwitter

 

あらすじ

【天才デバッガー】×【相棒最強美少女】が【VRMMOデスゲーム】に【変革】を起こす!

VRMMORPGの社会シミュレーション的側面からアプローチして描かれる、ヒーローではない凡人たちの戦いの物語。

近未来――
人工知能〈ALICE〉を開発し、仮想現実世界へのフルダイブを可能にした、天才技術者にしてゲームクリエイターの篠田道源が、〈フェイタルブロウ・オンライン〉という名のVRMMORPGを製作した。

舞台は〈龍の墓所(ドラゴンズ・グレイヴ)〉――
〈四季エリア〉・〈迷宮エリア〉・〈青海エリア〉・〈蒼穹エリア〉・〈死氷エリア〉の全五層から成る、莫大なデータ量を誇る仮想現実空間である。

集まったプレイヤーは3万人。
午後6時、ログアウト不能になり、デスゲームが開幕される。
それは、食糧難を乗り越えながら〈中央街(セントラル)〉を防衛しなければならない、超大規模タワーディフェンスゲームの始まりであった。

まだ何者でもない”隠れた”天才デバッガーである真田誠一は、その能力を生かして邪道的にゲームに変革を起こし、人々を変えてゆく。彼を「マスター」と慕う最強年下美少女の相棒とともに。

ジャンル

SF(VR)

キーワード

デバッガー VRMMO デスゲーム SF 美少女 天才 凡人 ゲーム

掲載日  

2018年12月1日 01:45

《第一話特別掲載》  

 四月某日――

 東京都S区の某ビルの一室にて、誠一は今日も今日とてゲームをしていた。

 と云っても、遊んでいるわけではない。発売前のゲームに潜むバグを発見してつぶし、品質を高める『デバッグ』と呼ばれる作業をしているのである。

 この業種は『デバッガー』と呼ばれる。

 誠一の所属するT社では、25年前からデバッグにAIが導入されている。

 スマートフォン向けのソーシャルゲームが隆盛していた頃である。膨らみ続ける開発費を抑えるため、バランス調整やデバッグをAIで自動化したのだ。結果、膨大な単純作業やテストプレイに必要なマンパワーは減少していった。

 誠一は18歳で就職し、3年間務め、21歳となっていた。

 その間にもAIはめざましい進歩を続け、デバッガーの人数は削られつつあった。最初は5人で窮屈だったデバッグルームだが、現在は3人でやや虚しいくらいに広々と使っていた。

「うわっ……こんなのよく見つけたなあ……」

 誠一が提出したバグレポートを見て、リーダーの斎藤が溜息をつくように云った。

 それはボスモンスターを特定の行動パターンに追いこんで簡単に倒してしまう、いわゆる『ハメ技』の報告だった。

 遺伝的アルゴリズムで生成された無数のAIがテストプレイしても、こんな技を発見したものはひとつとしてなかった。

「さすがは〈デバッグの王ロード・オブ・デバッガー〉……」

「やめてください」誠一は苦い顔で云った。「本気で恥ずかしいんで……」

「いや、俺はわりと本気でお前のこと尊敬してるよ」

 ニヤリと笑う斎藤に、誠一は肩をすくめた。

 ――いつからこんな恥ずかしいあだ名がついたんだっけ、と彼は思った。たしか、何かのゲームキャラに引っかけたのだったか……

 実際、誠一のデバッグ能力は神がかっていた。ゲーム内に潜むバグやバランスブレイカーに対する嗅覚が異様に優れているのだ。

 その特殊能力のせいか、気がついたら新発売のゲームを世界一早くクリアしていた経験も、一度や二度ではなかった。

 しかし、デバッグの能力が幾ら高くとも、誠一にとっては何の意味もなかった。彼は、本当は〈クリエイター〉になりたかったのである。

「じゃあ、定時なんでお先に……」

 誠一は荷物をまとめて云った。ゲームに集中していた相田が顔をあげ、あっ、と叫んだ。

「そういえば、お前、フェイタルブロウオンラインのβテストの抽選当たったんだっけ?」

 相田は右手を掲げ、ネット検索画面を呼び出した。彼のかけている〈インフォ・グラス〉の機能である。ハンドジャスチャーを認識し、網膜に映像を投影、空中に仮想インターフェースを設置する。

 相田は音声検索でFBOの情報をネットから拾い、云う。

「日本限定で3万人のプレイヤーを募集したところ、970万人の応募……って、ヤバすぎでしょ! 数字バグってない? 日本のオンラインゲーム人口ってこんなにいるの?」

「いま世界一注目されてるゲームだしなあ……。実際、オーパーツみたいなもんでしょ」

 斎藤が云うように、FBOは現状のゲームカルチャーのレベルを大きく逸脱する凄まじい規模と品質を持っていた。

 例えるならそれは一個の巨大な隕石である。

 これまで連綿と紡がれてきたゲーム史に突如として衝突し、一瞬にしてすべてを変える。

 まさに、致命の一撃フェイタル・ブロウ――

 相田はぽかんと口をあけて、空中を見つめていた。彼の見ている映像は網膜に直接照射されているし、音は骨伝導で彼にしか聞こえない。

 ――しかし、誠一には彼がFBOのPVを見ていることがわかった。

 暗記してしまうくらい、もう何度も繰り返し見た映像――

 誠一はこの日を待ちに待ってきた。ようやくあの世界へ行ける、と思った。

 巨大金剛槍、漆黒龍の亡骸、無限の蒼穹に浮かぶ砕かれた大地……

 龍の墓所――!

《感想》

しばらくぶりの記事更新となってしまい大変申し訳ないです(;’∀’)

今回読ませていただいたこの小説ですが、控えめに言って大当たりな作品でした!

途中までは

「あれ? この展開SAOと全く同じじゃね?」

なんて疑問で脳内を埋め尽くしていた自分なわけですが、結果的にある意味SAOとは逆の方向に向かっていきましたねw

あえて多作品で表現するのであれば、SAOよりログ・ホライズン寄りの作品なのかもしれません。

少なくともソロキリト路線じゃないですw

そして何より特筆すべき点は、その作りこまれた設定にあるでしょう。

ここまで考えられている設定からは、作者さんの作品に対する愛を感じることができますし、これだけの設定をスムーズで、しかも読みやすい文章にまとめていることを考えてみると田中ダンジョンさんの実力は相当なものなのかと。

読みやすさを意識しすぎてか、一部早足で物語が進んだりもしていますが、ぶっちゃけ気にするほどじゃないです。

チーム全体で頭を使いながらゲームを攻略していく←こんなVR作品がお好きな方にとてもおすすめな作品です。

一応万人受けしやすい作品だとは思いますので、別に「興味ねぇわ」って方でもとりあえず4部までは読んでみてください!

管理者のツイッター
バミトントン 

プッシュ通知を

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です